2015年09月08日

成都・関空直行便の顛末

今回の中国行きは、往路は関空・北京便、復路は成都・関空の直行便を利用した。しかし、この直行便というのがなかなかのくせもので、いかにも中国的といってよいようなシステムだった。

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成都11:30が定刻なので、国際便ということもあり9時すぐには空港に入ったのに、チェックインが始まる気配がない。ようやく掲示が出たものの、10:20から10:50までだという。まるで国内線並みの時間、と思いつつチェックインを済ませると、10:50にまたここに集まれという。??という感じでそういうならしかたないなあと指定時刻に戻ると、さっきチェックインを担当した短髪の男性が20人ばかりのわれわれ乗客を引率して、港澳台(香港・澳門・台湾方面のカウンター)のさらに向こうにある16という搭乗口に連れて行ってくれた。
ここでまず手荷物のX線透視があり、別の便の人たちに続いて小室に入るとそこが検査場で、まずカウンターでパスポートとチケットのチェックの後(出国の押印はしない)、PCや金属製品を取り出す通常の手荷物検査とボディー・チェックを受けた。並んでいると小室の中の様子がわからないのと、すぐ脇で、手荷物検査で引っ掛かったらしい中国人の男の人が一人、警備担当者数人に取り囲まれていてやや険悪な雰囲気があり、先の様子がわからないのとで、なおさら不安と緊張を強いられた。
終わるとバスに乗せられ延々と移動。どうも位置からみて国際線でなく北に隣接する国内線の方に連れて行かれるらしい。そうとわかると、搭乗口番号に16と150が併記されていたことの謎がほぐれてきた。初めこれを見たとき、150はタラップ利用なのかなと思っていたのだが、実は国内線搭乗口の番号だったのである。出国手続きも南京なのであって、さっきのは国際線利用者に対する、国内線搭乗手続きだったのである。
バスを降りると、そのまま搭乗口に上がれるようになっていて、機内に入ると予想に反して中はほぼ満席。大阪まで行く国際線利用の人々の搭乗の前に、南京までの国内線を利用する乗客が既に搭乗を終えていた訣で、空席にあとから乗ったぼくらがすっぽり収まるという次第なのである。国際線カウンターでの乗客が余りに少なく、いったいこんなガラガラでどうするのだろう、南京で大挙して乗ってくるのだろうかと思ったりしていたのだったが、さすがにそんな無駄なことはしなかったという訣である。
つまり、成都・関空の直行便と銘打ってはいるものの、その実、成都・南京の国内便を延長する形で関空まで国際線として客を運ぶのである。成都・南京間の国内線利用か、南京・関空間の国際線利用の乗客が圧倒的に多く、ぼくらのような成都・関空の利用客はごく少ない。他にこういうのがあるのかどうかは知らないが、それを見越した上で、合理的で無駄のない運航を図るなかなか手の込んだ方法なのである。
そもそも国際線と国内線とでターミナルが異なっていて、どっちへ行けばいいのだろうと悩んだ末に、国際線の第一ターミナルに行ったのだった。その判断自体は正解だったものの、国内線としての大々的な利用までは見抜けなかった。ターミナルは、国際線として乗るか、国内線として乗るかという、客の実態に合わせた運用だったわけである。国内線として乗る客の中には、この飛行機が南京からさらに関空まで飛ぶことを知らぬまま(そんな不必要な情報を敢えて伝えることはしないかも知れないし)、純然たる国内線として乗っている人が多いのかも知れない。
と、ここまで謎は解けてきたものの、では南京ではいったいどんな動きをすればよいのだろう。機内のアナウンスに耳を傾けていると、どうも一旦全員降ろされるらしい。タラップを降りバスに乗って空港ビルに連れて行かれ、中に入ると、勝手知ったる人がいて、関空行きはここで待てばよいのだと教えてくれる。同行者には既にエスカレータで2階に上がってしまった人もいた。さてどうしたものかと思っていると、何と言うことはない、入口で待っている人も、同じエスカレーターで上に案内されるのである。下と上と2箇所で待ち構えているという次第なのだ。人がいるだけで、書いたものを掲げている訣でもなく、かといってよびかけている訣でもなく、国内線として乗った多くの乗客の流れに乗って出てしまうことだってあり得なくはない。そのへんは至っておおらかだ。案内に付いていくと、また手荷物の簡単なX線透視を受け、乗り継ぎ券を渡される。硬い紙のチケットである。日付だけ手書きで書き加えてある。
その先は道なり(途中で用を足す)で、いつのまにか出国検査場の脇に導かれていた。ここもなぜか団体用というゲートに並ばされ、ようやく正規の出国手続きを受ける。検査台の脇には簡単なものだが他では見たことのない自動で開く扉があり、また検査官(男性)が検査終了後、珍しく一人ひとりに笑顔が振りまいている。
手荷物検査では、PCやカギを元に戻そうとしていると、水はないかという。南京で出してきたばかりなので、自信を持って「ありません」と答えると、「ありません?」と哄笑され、あるはずだからリュックを開けろという。あるわけはないので、どうぞ気の済むまで開けてみてくださいと、中を探させると、一番底の方だといい、ゴソゴソやっていたが、まもなくあろうことか開封していない水のペットボトルが出てくるではないか! 思わずすみません、と誤ってしまったが、そういえば南京でも同じようなことを聞かれ、ないと答えたら何も言われず、そのまま通ってきてしまったのを思い出した。あれももしかしたら、ペットボトルの存在に気付いていたのかも知れないが、もしそうだとしたら、そのまま通すのは随分杜撰なことになる。実際はよくわからない。
やれやれと、これでやっと飛行機に戻れるかと思ってからからがまた長かった。延々と端まで歩かされたのである。一番端で1階に降り、ここからやっとバスに乗る。見覚えのある景色を逆に辿って、今度こそやっとさっきまで乗っていた飛行機に辿り着く。機材も入れ替え? でもそうなら荷物を仕分ける面倒はどうするんだろう? などと要らぬ心配までしていたのだったが、これで一応直行便の建前だけは崩さずに済んだことになる。
南京からの乗客はどのくらいいるのだろうと思いつつタラップを上がって機内に入ると、成都の時ほどではなく、たまたまぼくの席の隣は一つあいていたけれど、ほぼ満席状態。やっとこさでさっきまで座っていたなつかしい座席に戻れたのだった。
機材が変わらず荷物を預け直す必要はないという点では確かに直行便なのだが、乗客にとっては実質的には乗り継ぎに等しいものだった訣である。
出国手続きを終えて飛行機に戻る(南京空港にて).JPG
〔出国手続きを終えて飛行機に戻る(南京空港にて)〕

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こうした流れを初めから知っていれば別にどうということはないのかも知れない。しかし、次の自分がすべき行動を知らされぬまま、あちこち連れ回されるのは正直言ってくたびれるし、ストレスもたまる。機材を空っぽで無駄に飛ばさないという点ではとても合理的なシステムなのではあるにせよ、そのための人の動かし方、検査の仕方などには、いかにも中国というところもあって、もっと省力化できる部分もあるように思う。成都でのチェック・イン(10:20)から、関空で到着口から外に出る(18:40)まで、いや本当に長い旅であった。
なお、途中1回ずつ機内食が出た。昼にかかる成都・南京間では、ポーク焼きそばかチキンのあんかけ風のごはんが出て、そこそこのボリュームはあったが、国際線の南京・関空間は食事時を外れるためか、ベーコンの乗った味のないパンとモモ一切れ、それにお菓子が中心の軽いもので、国際線にしてはやや期待外れ。しかもコーヒーは甘いミルクコーヒーだし、コーラは気が抜けていて、アップルジュースが一番まともだった。
成都行の国内便の機内食.JPG
〔鄭州発成都行の国内便の機内食。成都・南京間で出た機内食は、これと上記の焼きそば風の2種からの選択だった〕
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posted by あきちゃん at 01:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして

>成都・関空直行便

とありますが、これは正式には経由便といいます。経由便とは、途中の経由空港で一度着陸して、再度離陸してから、最終目的空港に行く便で、この2区間を同一便名で示し、基本的に同意一機材を使用します。

中国東方航空MU2859便は成都発の南京経由関空行です。

この経由便は中国系の航空会社にはよくあります。経由便は沿海地区ではなく、内陸地への便が大多数です。もちろん、国内客を取り込んで採算性をあげるためです。

なお、中国の規定で、経由地空港で出入国審査を行います。

同じ成都からの便で、中国国際空港の例を示しておきます。
https://kanazawa45.wordpress.com/2008/08/02/%EF%BD%83%EF%BD%81%EF%BC%94%EF%BC%92%EF%BC%91%E4%BE%BF%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%88%90%E9%83%BD%E6%90%AD%E4%B9%97%E3%83%BB%E5%8C%97%E4%BA%AC%E7%B5%8C%E7%94%B1%E6%89%8B%E9%A0%86%E2%80%95%E6%88%90%E9%83%BD/
Posted by km45 at 2015年09月08日 23:46
km45さん コメントありがとうございます。教えていただいた中国国際航空の例で、たいへんよくわかりました。丁寧なご教示をいただきありがとうございます。

「直行便」と思い込んでいたからいけなかったのですね。知らないというのはほんとうに怖ろしいことです。でも、こうしてすぐさま教えていただけるというのは、ほんとうにありがたいことです。改めて感謝申し上げます。

今回の「経由便」のこと、本文ではくたびれた、ストレスだ、と思わず愚痴ってしまっていますが、その実、先が見えないからこその旅を楽しめたのもまた確かです。km45さんのお蔭で謎も解けましたし、ほんとうによい経験でした。
Posted by あきちゃん at 2015年09月09日 01:31
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