2017年04月06日

待ちに待ったサクラと春のカンタータBWV1

ようやくサクラがほころび始めた。昨日の朝、奈良阪のバス停のサクラはまだつぼみのままだったが、帰りに秋篠川添いのまだ若いサクラを見たら五分咲きといったところで、ようやく春が訪れたことを実感することができた。2月以降暖かくなりそうなそぶりを見せながらなかなか本格的な暖かさはお預けの状態が続き、サクラは例年に比べると一週間以上は遅いだろう。例年だと、移ろう季節にちょっと待ってよ、と声を掛けたくなるのものだが、こうも勿体ぶった春の到来のしかただと、逆に今度は少しすねてみたくもなるから、身勝手なものだ。もっとも、お水取りが終わってもなお果てることのない寒い毎日が続いたのだから、それもまあ仕方のないことだろう。
3月の末でも、上越の多いスキー場だと5mの雪を観測していた。1月の末というのならまだわかるけれど、サクラの季節の直前でこうなのはぼく自身ほとんど記憶がない。先週あたりでもなおザラメにならずパウダースノーで滑れたというのだからすごい。1月半ばまでは雪不足でやきもきしていたスキー場も多かったはずだが、3月末でこうだと逆に雪も迷惑の部類になるだろう。もう、いらない、となるに違いない。この季節になって接岸した流氷がなかなか離岸せず、漁に出られなくて困っているというニュースも見た。

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折角サクラが咲き始めたというのに、明日から暫く天気はぐずつくらしい。この先一週間晴れマークがない。しかも気温は高くなるというからサクラには最悪だ。週末にはお花見をと思っているのに、何とかならないものか。冬が長かっただけに、それに耐えて一週間遅れで今まさに咲こうとしているサクラを何とかしてやりたい、という思いが強いのである。
いつもの年ならもっとのんびりと構えている春の恒例行事、イヌたちの年に一度の大仕事を、今年は4月早々に済ませてきた。土曜日にAGを車で連れて行き、日曜日にはPPとACを散歩がてら動物病院まで歩いて行き、狂犬病の注射とフィラリアのチェックの採血をしてもらい、半年分の薬をいただいてきた。帰りは鴻池回りで帰宅し、あと少しでほころび始めるサクラのつぼみを確かめながら、今週末の再訪を期したところだったのだ。
偏西風の蛇行が多いせいなのかどうか、ごく普通の穏やかな周期変化というのがなかなか現れにくくなってきているような気がする。何度か書いたことだが、冬から夏へ、夏から冬への変化が激烈で、春と秋が短くなってきている印象も強い。温暖化の影響かどうかは別として、極端な気候が出現しやすくなってきているのは確かだろう。変動はあって不思議はないのだが、その振れ幅がこれまでの常識では測れなくなっているのである。

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春がそれだけ待ち遠しかっただろうか、今年はBWV1のカンタータがとりわけ心に滲み入る。受胎告知の祝日(マリアのお告げの祝日)のための、BWV番号のトップを飾る、そして第2年巻コラール・カンタータの最終曲、最高峰という、記念すべきカンタータである。
名曲だからということで、これまで何度も聴いてきた曲なのに、なぜかあまりピンとこないできてしまった。明るくて優しくて、それこそ踊り出したくなるような楽しく美しい曲である。しかし、カンタータというイメージから、いやバッハの音楽について昔から抱いていた漠然としたイメージからはおよそかけ離れた曲である。これが本当にあのバッハの音楽の最高峰なのだろうかと、特別の感動を覚えない自分の感性に疑いをさえ感じてしまっていたのである。
ところが今年は違った。何故か知らないが、手許にあるいろんな演奏のCDで聴いてみているが、どの演奏もみな心に滲みわたってくる。第1曲についていうなら、ロッチュの颯爽とした心の浮き立つような演奏から、同じトマス・カントルの演奏でありながら、これとは正反対のしっとりとした遅めのテンポで歌い上げるビラーの演奏、そしてさらにゆったりと暖かく慈しむようなヴェルナーの演奏、みなよい。ロッチュとヴェルナーではテンポが1.5倍も違うのであるが、どちらも素直に美しいと思う。テンポの違いが全然気にならないというのは、やはり曲そのものが素晴らしいからなのだろう。
6曲からなるコンパクトなカンタータなので、もっともっと浸っていたいという思いを残したまま、それでいて言葉では言い得ぬ充足感を残して去って行く、そういう曲である。まさに春に相応しい曲であることを、遅まきながら、今年初めて感じている。これも遅い春の到来のたまものであるのかも知れない。
ほころび始めたバス停のサクラ.JPG
今朝、少し先のこのバス停まで歩き、ようやくほころび始めたサクラを写真に収めてきた。今日はお天気が下り坂で、夕方から夜には雨になるだろうとの予報を耳にし、居ても立っても居られなくなってしまった。次に晴れ間が出るまで辛抱していてくれるだろうか。祈るような気持ちでシャッターを切った。
posted by あきちゃん at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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